北ドイツの町ブレーメンは、北海に注ぐヴェーザー川から約60kmさかのぼった場所にある町。かつてはヨーロッパ北部の経済や貿易を支配したハンザ同盟の一員として、その名を知らしめていました。

グリム兄弟とその童話にゆかりのある地を結ぶ「メルヘン街道」の町としても有名で、市庁舎のわきにある音楽隊の像は常に人が絶えない人気スポット。街道はグリム兄弟誕生の地であるハーナウから北上し、約600kmの道のりを経てブレーメンまで続きます。

町にはハンザ同盟の都市として繁栄した頃の面影が色濃く残り、エリアごとに異なる表情を見せてくれるのも特徴。今回はそんなブレーメンの町を歩いてみましょう。

ブレーメンの町なかは、徒歩のみで観光が可能。中央駅からまっすぐ歩いていき、橋を渡った所が趣のある歴史地区となっています。

旧市街でまず足を運んでみたいのがマルクト広場。壮麗な市庁舎や大聖堂、北ドイツらしい切妻屋根の建物に囲まれた広場では、約5.5mもある巨大なローラント像が特に目を引きます。

1404年からこの場所に立っているローラント像は、町の自由と権利を象徴するもの。町のシンボルのひとつでもあり、多くの市民から親しまれています。

そんなローラント像とともに世界遺産に登録されているのが、ゴシック様式の市庁舎。美しいホールでは巨大な3隻の船が天井から吊るされ、町が貿易で繁栄した名残りを感じさせます。

内部はガイドツアーで見学できるので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

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