当時のスルタン、アフメト1世が、「黄金の(altın)ミナレットを建てる」ようにと命じたとところ、建設者は「6基の(altı)ミナレットを建てる」と聞き違いをしてしまいました。完成したモスクを見て、スルタンはビックリ!モスクには黄金ではなく6基のミナレットがあるではありませんか。
そのままにしておけばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、ミナレットの数はモスクの格式の高さを表します。当時、聖地メッカのモスクですらミナレットの数は4基。その数を超えてしまうのはさすがにいけないだろう、と考えたスルタンは、自身が命じたモスクのミナレットを取り壊すのではなく、メッカのモスクにミナレットを増設するように命じたことで事の混乱を避けたといいます。
実際、1629年に第17代スルタンのムラト4世がメッカのモスクを改修し、そのときにミナレットが3基増設されて合計7基になりました。
この「聞き間違え」の言い伝えが嘘であったにせよ本当であったにせよ、ブルーモスクが完成した時点で6基のミナレットを持つモスクは世界で唯一、スルタンアフメト・モスクだけだったのです。もしかすると、アフメト1世はミナレットの数でもって、帝国の力の強さを暗に示したかったのかもしれません。
イスタンブールでブルーモスクを訪れたら、その内装の美しさにはもちろん、ミナレットの数にも注目してみてください。設計者が聞き間違えなければ、そこには黄金のミナレットが天に突き刺さるように建っていたのかもしれません。
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名前 ブルーモスク(Sultanahmet Camii)
所在地 Sultan Ahmet,Atmeydanı Cd.No:7,34122 Fatih/İstanbul
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