ブルームバーグが6月に公表した暗号資産(仮想通貨)市場の展望レポートで、ビットコインの需要や人気度をはかるシグナルとして、ビットコインの投資信託GBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)のプレミアム(乖離率)に言及した。レポートでは20年3月や18年11月などにプレミアムとBTC価格が底を打つ時期が一致している事や、プレミアムがゼロに近づいてから急回復するタイミングでBTC価格が高騰すると指摘している。

2013年9月13日に設定されたGBTCは、私募の形で提供が始まったが、2015年からは一般向けに販売されている。2020年1月には、SECが報告会社として正式に承認した。20年第1四半期(1−3月)には5.3億ドル(約568億円)の資金が流入したと報告されている。四半期ベースでは過去最高の資金流入である。

Cane Island Alternative AdvisorsのファンドマネージャーTimothy Peterson氏は昨年、GBTCの1株当たりのプレミアム価格とBTC価格との間に高い相関関係があると発表した。1株当たりのプレミアムからみた投資家のセンチメントはBTC価格にも影響するとみている。例えば、19年8月にGBTCのプレミアムが下落してBTC価格との相関性が1カ月ほど弱まった後、BTC価格も翌月の19年9月に急落した。

6/8時点のGBTCの1株当たりのプレミアム価格は2.8ドルとなる。このプレミアム価格の水準から試算するBTC価格は7,804ドルとなる。投資家の間におけるGBTCの人気度との比較では、足元のBTC価格はやや割高となる。