モノやコトの消費を通してウェルネス活動をサポートする、ポイントシステム「ウェルちょ」が9月16日より本格的に始動した。同日、オンライン配信で記者発表会も行われた。

ウェルちょとは、「ウェルネス貯金」の略称である。対象となる商品を購入したり、サービスを利用することで、「エール」と名づけられたポイントを貯めることができる。

ここで言うウェルネスとは、体と心の健康、そして社会の健康を指している。ユーザーはウェルちょを通じて、日々の消費活動の中で社会貢献を行なうこともできるのだ。

ポイントは買い物以外での利用も可能

エールはいくつかの方法で獲得できるが、そのひとつは商品の購入だ。対象となる商品は「ウェルネス応援隊」として参画した企業のものとなっている。現時点では、東洋水産、ハナマルキ、日東紅茶、マルトモ、ミズノ、オタフクソースなどの30社がウェルネス応援隊だ。

利用者が貯めたエールは、「ウェルネスステーション」として参画した店舗や施設、ウェルちょ公式オンラインショップにて、1エール=1円として利用することが可能である。

現時点でウェルネスステーションとして参画している企業は157で、全国の3000拠点で利用できる。クオール薬局、星野リゾート、スポーツクラブNASDr.stretch(ドクターストレッチ)などがウェルネスステーションになっている。

エールの利用方法としては、商品の購入以外に、「チアジャッキーズ!」(子供たちのために様々な支援を行なう社会貢献活動)への募金、家族や友人への付与などといった利用ができる。

これらのエールの利用は、専用アプリ「ウェルちょ」を使って行なう。たとえば、対象商品についているQRコードをアプリで読み取ることで、エールを貯めることができるのだ(商品によってはアンケートへの回答や、シリアルナンバーの入力が必要となる)。

企業の価値観に共感した消費者がコミュニティを形成

ウェルちょの特徴のひとつとして、D2C(「Direct to Consumer」、直接、消費者に商品を販売するビジネスモデル)のプラットフォームを企業と消費者に提供するというものがある。

オンライン記者発表会に登壇した、ウェルちょを運営するグルーヴァース株式会社の福島大地代表取締役によると、他の既存のポイントは基本的に小売り業者が発行するものであり、メーカー側はPOSデータなどの消費者のデータは得られなかったという。

これに対して、D2Cのウェルちょではメーカーがポイントの原資を負担して、ポイントを自社商品につけるので、メーカー側がPOSデータを得られるというメリットがある。

また、既存のポイントでは、消費者は「何を買うか」より「どこで買うか」を優先することもあったが、こうした特徴のあるウェルちょであれば商品に対するファンを獲得することも可能だ。

ファンを獲得することで、企業が提示する価値観に共感した人々によるコミュニティが形成されることも期待できる。これもD2Cならではのメリットだろう。

教育の分野での利用も検討中

この日の発表会には、ゲストとして女優の髙橋ひかるさん、元サッカー日本代表の中澤佑二さんも登壇して、ウェルネスに関する思いなどを語った。

ウェルちょに対する希望を聞かれたところ、全国の学校などをまわって社会貢献活動も行なっている中澤さんは「子供たちの未来のためのサポートをウェルちょがすることを期待しています。子供たちのためのサービスをぜひ作っていただきたいです」と答え、髙橋さんは「学生なので本をよく買うんですが、読みたい本がたくさんあるので、書店でも使えるとうれしいです。勉強でも活用できたらなと思います」と答えた。福島代表取締役によると、教育分野の企業とも交渉中とのことなので、ウェルちょはさらに幅広い分野で活用できることになりそうだ。