「Defiプロジェクト「RenVM」」(※1)で取り上げたRenVMは、今年5月からMainnetで公開されている。ただ、現在のフェーズは「Mainnet SubZero」であり、まだ完全な分散は実現できていない。コンセンサスの方法は「半分散型」であり、RENチーム(Grey Core)がコンセンサス形成とトランザクションを実行する一方、一般ユーザーのダークノードはP2Pネットワーキングとストレージのみを担当する。分散型への完全な移行が完了するには2つのフェーズを経る必要があるが、現時点では移行の日程は決まっていない。
RenVMチームは、担保として預けられたRENの価値がTVLの3倍となることを目標とする一方、「担保資産がTVLよりも大きければ調整が可能であり、300%は必ずしも厳密なものではない」としている。ただ、10月13日時点では、RenVM全体にロックされているren資産の総額は約26,502BTC(約3.04億ドル)で、renBTCは26,432BTC(約3.03億ドル)がロックされている。一方、RENトークン全体の時価総額は約3.3億ドル、ダークノードに担保されているRENは約4,260BTC(約4,900万ドル)である。
現状では、担保として預けられたRENの価値は、各ノードの担保するRENが発行されるrenBTCの300%に満たないどころか、100%も下回る。なお、乖離の理由や是正の時期などを公に説明しているものは確認できていない。「ダークノードが担保として預けるRENの合計値がRenVMのTVLの300%となるようにバリデーターの担保比率は常に動的に調整される」というが、その点も未確認である。
※1:https://web.fisco.jp/platform/market-news/0010810020201006001