新型コロナウイルスの感染者数が増加し、医療福祉業界で働く看護師や介護士の負担は日に日に増加している。病院や福祉施設もたいへんな負担をしいられている状況だ。

こうした中、国内最大級の医療福祉の転職サイト「コメディカルドットコム」(https://www.co-medical.com/)を運営するセカンドラボ株式会社は、病院・福祉施設への運営支援を目的に、看護師、介護士の採用手数料を無料で提供することを決定した。

無料での提供は、緊急事態宣言期間中(最長で5月16日まで)に行なわれる。国民の命と生活を守るために現場の最前線で尽力している病院・福祉施設を支援するため、職場の人員体制の拡充や経営上の費用負担軽減に役立ててほしいという狙いがあるとのことだ。

従事者への待遇改善に使われるべきお金が必要以上の採用費にあてられている

セカンドラボは、コメディカルドットコムに登録している看護師・介護士を対象に「コロナ禍での医療・福祉従事者の働き方」についてのアンケートを実施した。そこで見えてきたのは、医療・福祉従事者の疲弊ぶりだ。

「コロナ禍で業務の負担は増えましたか?」という質問に対して、全体の63.3%が「増えた」と回答。「コロナ禍で収入は変わりましたか?」という質問に対して、28.0%が「減った」、66.5%が「変わらない」と回答した。業務負担は増えているが、給与にはそれが反映されていないのだ。

また、国の予算で運営が行なわれている病院・福祉施設だと、財源も限られていて、慢性的な人手不足により採用コストが高騰しやすい構造になっている。

医療福祉業界では人材紹介サービスを介した転職が多く行なわれていて、1名あたりの手数料が150万円を超えるケースも珍しくない。高い採用費は病院・福祉施設にとって経営懸案となっているのだ。

前述のとおり疲弊した医療・福祉従事者の待遇改善に使われるべきお金が、必要以上の採用費にあてられてしまっているという問題も生まれている。

コメディカルドットコムでの看護師、介護士の採用手数料という取り組みは、こうした事態に悩む病院・福祉施設を応援するためのものなのだ。