大森地区を歩く際には、屋根の瓦にも注目してください。大森の町はこの地域で見つかった鉄分の豊富な粘土で作られる赤瓦でも有名。

一方、大きな建物の屋根には灰色の瓦が使われており、それらの多くは伝統的な武家屋敷か行政施設です。灰色の瓦は、権威の象徴として武士階級に好まれていたのだそうです。

瓦の色にも歴史が隠れているなんて、古い街並みは奥が深いですね。

大森地区を上から眺めてみたい方は、ぜひ観世音寺へ。大森の町を貫く通り沿いの岩盤の上に建立された寺で、石段の上からは「石見銀山遺跡とその文化的景観」を象徴する景観が眺められます。

まさしく、タイムスリップしたかのような景色…。今の日本でこのような風景が残っていることが奇跡に近いと思えてきます。

世界遺産にも登録された観光地でありながら、ここ暮らす人々の生活の営みが風景に優しさと温かさを添えている石見銀山・大森地区。

この地を訪れたら、「ずっと変わらないでいてほしい」と願わずにはいられません。

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