12月1日(木)、東京都内にて会計バンク株式会社が「スマホ会計FinFin、スマホインボイスFinFin」発表会を実施した。会計バンクは、経理・会計ソフト「会計王」などで知られるソリマチ株式会社から生まれたフィンテックベンチャー企業である。

「スマホ会計FinFin」と「スマホインボイスFinFin」は、スマホひとつで確定申告とインボイスに関する作業ができるアプリである。発表会が行われた12月1日(木)に、どちらのアプリもサービス提供を開始した(スマホ会計FinFinβ版。正式版は2023年3月末リリース予定)。

消費税と深く関わっている会計ソフトの歴史

発表会には、まず会計バンクの反町秀樹CEOが登壇。反町CEOは、1989年に消費税が導入された際に会計ソフトブームが起きるなど、会計ソフトの歴史には消費税改正が大きく絡んでいると解説。スマホ会計FinFinとスマホインボイスFinFinも、202310月に運用開始が予定されているインボイス制度がきっかけで生まれたのだ。

インボイス制度によって消費税申告者が拡大し、多くの事業者の負担が増大する。その事業者の中には、現在1577万人に達していると言われるフリーランスの人たちも含まれている。

そうしたフリーランスの人たちを助けるため、会計バンクはスマホで簡単にできるサービスを手掛けたのだという。サービスの「FinFin」というネーミングには、「FinTech(フィンテック。金融とIT技術を組み合わせたサービスなどのこと)」「Finance(ファイナンス)」などの意味が込められているほか、反町CEOによれば、パンダのようなネーミングにすることで、人々から受け入れられて可愛がられてほしいという願いも込められているとのことだった。

スマホひとつで確定申告とインボイスの作業ができる

スマホ会計FinFinとスマホインボイスFinFinの具体的なサービス内容については、会計バンクの片原範之CFOが説明を行なった。

スマホ会計FinFinとスマホインボイスFinFinは、現在増加中のフリーランスをユーザーとして想定している。どちらもスマホひとつで作業が完結するという特徴を持つアプリだが、それぞれ役割が違う。

スマホ会計FinFinは、スマホだけで確定申告の作業ができる。全国の金融機関と連携している他、スマホのカメラでレシートを読み込むことで簡単に会計処理ができるという機能などを有している。

スマホインボイスFinFinは、スマホだけで請求書や領収書の発行と受け取りが行なえる。スマホ会計FinFinと同じく、こちらもスマホカメラでの書類の自動識別と登録ができる。請求書の発行という定形作業の省力化が可能になるのだ。

松岡修造さん&おのののかさんとのトークセッション

松岡修造さんと、おのののかさんをゲストに招いて、反町CEOとのトークセッションも行なわれた。松岡さんは16年間、ソリマチのイメージキャラクターを務めていて、4年前にはソリマチの代表取締役社長でもある、反町CEOとの対談も行っている。

トークセッションの中では、松岡さんとおのさんに「やってみたい副業」について聞く質問も飛び出した。松岡さんは、ウェイターのようなサーブする仕事にあこがれがあると回答。おのさんは現在、指導資格を取得するためにピラティスのインストラクターの勉強をしているとのことで、反町CEOから「副業を始めた際には、ぜひFinFinを使ってください」と呼びかけられていた。

今後も増加するフリーランスのパートナーに

スマホ会計FinFinは月額プランが税抜500円。とりあえず試してみたいという人のため利用期間60日間の無料プランも用意されている。

スマホインボイスFinFinも月額プランは税抜500円。こちらは毎月の請求書発行数が多い人のためのプランで、毎月の請求書発行数が10枚以下の人には無料プランも用意されている。

無料プランは機能制限もあるが、20233月末までどちらのアプリも全機能を無料で利用できる「FinFin発売記念キャンペーン」が実施されている。

今回の発表会では、2023年10月で100万件、2029年10月で200万件という利用者の累計目標も発表された。この数字は、今後も増加が見込まれているフリーランスのパートナーとなることへの会計バンクの意気込みが表われていると言えるだろう。