『ひるおび』(TBS系)で19日、「“反撃能力”を保有した日本の防衛がどう変わるのか?」について議論。視聴者からさまざまな賛否の声があがっている。

政府は16日、国家安全保障に関する基本方針である「国家安全保障戦略」など3つの文書を決定。“反撃能力”保有が明記され日本の安全保障政策の大きな転換点となるが、岸田文雄首相(65)は、この国を守り抜くための現実的なシミュレーションを行った結果、「率直に申し上げて現状は十分ではありません。相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力となる反撃力は今後不可欠となる能力です」と述べている。

反撃能力が必要な理由として笹川平和財団・上席研究員の小原凡司氏(59)は、弾道ミサイルならイージス艦やPAC3で迎撃できるが「(現在の迎撃態勢だと)極超音速ミサイルや軌道を変えてくるもの、あるいは低い弾道を変えてくるものは今のミサイル防衛システムで落とすのは難しい」と説明。反撃能力(敵基地攻撃能力)は「敵を攻撃するというより、ミサイル防衛の一環」だと解説した。

一方で、SHIBUYA109 lab.所長でマーケティング専門家の長田麻衣氏(31)は、反撃能力を保有することで「逆に挑発とかにならないのかな?っていう不安もある。これ持ってるから攻撃しても大丈夫でしょって思われちゃったりしないかな」と持論を展開。

これに対し、政治ジャーナリストの田原史郎氏(72)は「日本が防衛力を強化したら相手の国も強化して果てしない軍化競争に入るんじゃないかっていう考えがある」と理解を示す場面も。そして「中国や北朝鮮、ロシアが軍事力を強化してるのは日本が(強化)したからじゃないんです。勝手にやってるわけです。だから日本がもうそろそろやらないと、やられっぱなしになりかねない。そのために相手が攻撃をしかけないようなものを我々も持とうよ、というわけです」と解説した。

まず、視聴者からは長田氏のコメントについて「反撃能力がなんで挑発になるって考え方になるのか」「全く意味が分からん。なんで攻撃しても大丈夫という論理になるんだよ」「長田麻衣さん…ひるおびでウクライナのこと散々やってきたでしょ…武器持ったら狙われるってマジで言ってんのか…」「バカだろ」と呆れ声があがっている。

一方で“反撃能力”を保有することについて、「敵基地攻撃能力を反撃能力と言い換えるペテン師岸田内閣。こんな政権を絶対信頼したらダメだよ」「岸田総理は『抑止力=反撃能力』と言ってるが、現実は『能力=先制攻撃=中国と全面戦争=食料もエネルギーも自給できない日本は原発攻撃されて焼け野原』、騙されるな」と激しく非難する声もあがっている。

「ロシア・ウクライナ戦争によって、日本も対岸の火事ではないと危機感を持っている人は多くいるのですが、問題はやはり決定までのプロセスと財源確保の方法。増税や国債発行をして財源にあてるという考えですが、現段階では反対が賛成を大幅に上回っている状態です。今月17、18日に毎日新聞が行った全国世論調査によると、岸田内閣の支持率は25%しかありませんが、『聞かない力』ばかり発揮している岸田首相はもう支持率を気にすることを辞めたのかもしれません。こうなると、どこまでも強引にことを進めていきそうで恐ろしいものがありますね」(政治記者)

何もかもが国民を置き去りにして進められている印象だが、まずは国民の理解が必要なのではないだろうか。