コーヒーブランド「ネスカフェ」などで知られるネスレ日本株式会社が、新コンセプト“Make your world”を掲げて2023年秋より「ネスカフェ」の新ブランドコミュニケーションを開始する。

現在、コーヒー栽培は「コーヒーの2050年問題」と呼ばれる課題を抱えている。気温上昇が原因で、2050年までにコーヒー生産に適した地域が最大で50%減少すると予測されているのだ。

また、約1億2500万人がコーヒーに生計を依存しているものの、コーヒー生産世帯の80%が貧困ライン以下で生活していると推定されている問題もある。

こうした様々な問題を踏まえて、コーヒーを長期的に持続可能なものにするため、ネスレは2010年より「ネスカフェ プラン」を立ち上げ、社会的・経済的課題の解決を支援する活動を行なっている。

2022年10月には、さらに「ネスカフェ プラン2030」を発表。そこでは、2025年までの目標として以下のものが設定されている。
・100%責任ある調達(※生産者や環境に配慮して作られ、栽培に従事した農家グループや協同組合を特定でき、ネスレ独自の責任ある調達基準を満たしていることを独立した第三者機関によって検証または認定されたコーヒー豆のことを「責任ある調達基準を満たしたコーヒー豆」と呼ぶ。日本のネスカフェでは、2017年から責任ある調達100%を実現している)
・再生農業を通じたコーヒー豆20%調達
同時に2030年までの目標として以下のものが設定されている。
・再生農業を通じたコーヒー豆50%調達
・温室効果ガス排出量50%削減

こうした目標を達成するため、「ネスカフェ プラン2030」では再生農業の実践、再生農業への移行の支援、アグロフォレストリー(森林農業)の活用といった取り組みを実践している。これらによって再生農業を推進し、温室効果ガス排出量を削減し、コーヒー生産者の生活向上を支援しているのだ。

パッケージデザインも刷新

サステナブルな未来のためにこうした取り組みを実践するネスレは、ネスカフェの新コンセプトとして“Make your world”を掲げている。この“Make your world”には、「生産者や環境に配慮して作られたコーヒー豆を使った一杯を選ぶことが、世界を変えるきっかけになる」という意味が込められている。

“Make your world”はグローバルに使用されているコンセプトであり、これをもとにしたブランドコミュニケーションが世界各国で展開されている。

日本においては、「そのコーヒーは、あなたをちょっとだけヒーローにする。」というブランドメッセージを掲げて、2023年10月からテレビCMなどのブランドコミュニケーションを展開していく予定だ。

また、「ネスカフェ ゴールドブレンド」「ネスカフェ エクセラ」「ネスカフェ ふわラテ」といった主要製品のパッケージデザインを刷新。アクサン(フランス語でアクセントという意味)マークを象徴的に使用して、シンプルで現代的であり、なおかつ親しみやすいデザインに仕上げている。

パッケージの裏面には、サステナビリティへの取り組みも記載し、ネスレの取り組みをしっかりと消費者に伝えていくという。8〜9月の期間で、順次、新パッケージに切り替えていく予定だ。