9月28日(木)、医療機器メーカーのGEヘルスケア・ジャパン株式会社は都内にてパネルディスカッション「自宅はやがて、診察室になるのか?」を開催した。パネルディスカッションには、医療関係者の他、タレントの関根勤さんと榊原郁恵さんもスペシャルゲストとして参加した。

小子高齢化によって高齢者の患者数がピークを迎える一方で、医療・介護の従事者が減ってしまう「2040年問題」が社会全体の大きな課題となっている。今回のパネルディスカッションは、そうした事態の中で大きな役割を担うことになる在宅医療に目を向けたものである。

パネルディスカッションには、GEヘルスケア・ジャパンの執行役員の大成学志さん、医療法人鳥伝白川会理事長でドクターゴン診療所院長の泰川恵吾さん、ボストンコンサルティンググループシニア・アドバイザーの武田俊彦さん、ソフィアメディ株式会社最高執行責任者の羽田真博さんが登壇した。

前述のとおり、関根勤さんと榊原郁恵さんがゲストとして迎えられた。心疾患を患ってカテーテル治療を受けたことのある関根さんと家族の闘病を支えてきた榊原さんは、自身の経験をふまえて在宅医療について語った。

在宅医療で活用されるポケットエコー

パネルディスカッションでは、GEヘルスケア・ジャパンが販売する「ポケットエコー」も取り上げられた。ポケットエコーとは、その名前の通りポケットサイズの小型の超音波診断装置である。

在宅医療を推進する医師の泰川さんは、ポケットエコーを使用することで高齢者の重症心不全が発覚した事例や、患者宅での手術でポケットエコーを活用した事例などを紹介した。

訪問看護などの在宅療養に特化したサービスを行っているソフィアメディの羽田さんは、通院自体が患者や家族の負担になることも多いため、「病院でしかできないことは病院で、在宅でできることは在宅で」という形が理想なのではないかと語った。

厚生労働省医政局長として地域医療の実現などに尽力してきた武田さんは、“「治す医療」から、「治し、支える医療」へ”というスローガンを紹介し、患者の増加などで疲弊する病院を在宅医療の進歩が救うのではないかと語った。

3名の専門家の話を聞いた関根さんは「ポケットエコーなどの技術の進歩で、本当に必要なときだけ病院でドクターのお世話になるということができるようになりますよね」、榊原さんは「病院に行く前に、患者の家族が病状を判断しないといけないことがあります。そうしたときに在宅医療がもっと身近になれば、患者と家族の助けになるのでは」と語り、在宅医療の今後の発展に期待を寄せた。