キリンホールディングス株式会社(以下、キリン)は、「免疫ケア」を啓発する官民連携活動「げんきな免疫プロジェクト」の一環として、医師・看護師600名を対象としたアンケートを実施した。

厚生労働省が10月6日(金)に発表したデータによると、例年よりもインフルエンザの患者が大幅に増加。3年ぶりの行動制限のない冬だが、例年以上に免疫対策に注意する必要があると考えられている。

キリンが実施したアンケートでも、「2023年の冬における免疫注意報のレベル」について聞いたところ、「警報(例年に比べて、しっかりと注意したほうがよい)」という回答が23.8%、「要注意(例年に比べてややしっかりと注意したほうがよい)」という回答が53.2%だった。合計77%もの医療従事者が今年の冬の免疫低下を懸念しているのである。

マスク着用の任意化と行動制限の解除について、免疫ケアの必要性に影響があると答えた人は66.3%。今年の夏の記録的な猛暑が影響があると答えた人は81.5%だった。夏の猛暑での外出控えでの運動不足、秋口の気温の変化が原因となる自律神経のバランスの乱れなどが、免疫機能の低下につながる恐れがあるのだ。こうした今年特有の要因が重なって免疫が低下することを懸念する意見が多いことが分かった。

冬の気温変化については、気温15度、湿度40%を下回ると風邪などの軽度な病気や感染症に罹患する確率が上がると言われているが、今回のアンケートでも「注意したほうがいい」と回答した人が68.3%という結果になった。

食事、栄養による免疫ケアに関しては87.8%もの人が大切だと回答。その内容については「日常の食事で全体のバランスよくまかなう」という回答が最も多く(59.3%)、その次に多かった回答は「ヨーグルトなど発酵食品のなかでも乳酸菌を摂る」だった(56.2%)。

食生活や運動、睡眠など日々の生活習慣を見直そう

キリンはアンケートの調査結果をふまえて、イシハラクリニック副院長の石原新菜氏に免疫をケアするポイントについて聞いた。石原氏によると、免疫機能の維持のためには日々の生活習慣の見直しが大切であり、冬の始まりは代謝を上げて免疫細胞の働きを活発にするために体温を上げる習慣を取り入れることが重要だという。

食生活においては、生姜やニンニクのほか、レンコン、ゴボウ、ほうれん草などの体を温める食材を積極的に摂るとよいと石原氏は語った。また、腸内環境には免疫細胞の約70%が存在するので、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品で乳酸菌をとり、乳酸菌のエサとなる食物繊維も積極的にとることを心がけてほしいとのことだった。

睡眠は、質のよい睡眠を7〜8時間とることを意識し、毎日20〜30分ウォーキングなどの軽い運動をすることも石原氏は勧めた。