かつて明治時代の日本において、多くの知識人や文化人が集まっていた場所、それが「喫茶店」。
そんな時代の流れを脈々と受け継いで今にその香りを届けてくれているのが「純喫茶」というジャンルのカフェ。
実は「喫茶店」にはかつて「特殊喫茶店」と呼ばれる、現在のクラブやキャバレーのようなものがあり、それと区別するために「純喫茶」と呼ばれるようになったという歴史があり、昭和の時代には非常に多く存在した純喫茶は残念ながら現在は少なくなってきている。
しかしながら味わい深い純喫茶で過ごす時間は懐かしさや愛しさに溢れており、時間を味わうためには最適な場所。
今回はそんな時の移ろいを、素晴らしい調度品と温かいオーナー夫婦の接客で楽しめる最高の名古屋の純喫茶をご紹介したい。
お店の名前は「純喫茶マラガ」だ。
・1972年(昭和47年)創業の「純喫茶マラガ」
こちらのお店、昭和47年(1972年)創業の純喫茶。
昭和47年(1972年)といえば、第1次田中角栄内閣がスタートし日本列島改造と日中国交回復が国政の大きなテーマとなった年。
浅間山荘事件やテルアビブ空港乱射事件などの日本赤軍によるテロ事件が勃発した反面、日本人の海外旅行者は100万人を突破、さらに沖縄が日本本土に復帰するなど、様々な社会的な変革がもたらされていた。
そんな時代に生まれた純喫茶は今なお、昭和の雰囲気をお店の中に閉じ込めたまま、素晴らしい空間を提供してくれているのだ。