同じく岩村本通りにある岩村醸造は、創業230年を数える日本酒の蔵元です。1787年(江戸時代の天明7年)創業で、現在の蔵元である渡會(わたらい)家が年貢として岩村城に納めていたお米を生かし、造り酒屋を始めたのが起源とのこと。

岩村醸造では「女城主」「幻の城」「ゑなのほまれ」といったブランドの日本酒を造っています。シグネチュアーブランド「女城主」は、岩村城築城800年を記念して誕生した銘柄です。ラベルには、かつて女性城主として城下を治めた、織田信長の叔母であり“絶世の美女”と語り継がれる「おつやの方」の肖像があしらわれています。

築300年ほどという家屋は、江戸時代に建てられた往時の姿をそのまま残しており、直売スペースの奥が、間口が狭く奥行きのある「ウナギの寝床」と呼ばれる形状になっています。

その足元を走っている2本のレールは、店先から中庭を抜けて酒蔵までの約100メートルをつないでいます。このレールは、かつて酒や米の運搬に使われていたというトロッコ列車の線路跡です。

岩村町は非常に水に恵まれている土地で、中庭では、酒蔵の仕込み水(約400年前に掘られた井戸から汲み上げた木曽川水系の天然水)も飲むことができます。

次ページ