沖縄県・石垣市長選が3月11日、投開票され(投票率は73.55%)、現職の中山義隆市長(50/自民・公明・維新推薦)が、翁長雄志・沖縄県知事(67)の推す前市議・宮良操氏(61/民進・共産・自由・社民推薦)ら新人2人を破り、3選を果たした。
石垣市は、いわずとしれた尖閣諸島を擁する「戦略的要衝」。それゆえ、今回の選挙は何としても陸上自衛隊の配備を進めたい「安倍政権」と、それを阻止したい翁長知事率いる通称「オール沖縄」の代理戦争の様相を呈していた。中山氏は「当確」の報を受けて「(陸自の配備について)反対や不安を持つ方々と話した上で、政府や防衛省と協力していきたい」と記者団に述べた。
この結果を受けて、SNS上には「良かった。本当に危機一髪だった」「中山さんが負けてたら尖閣がマジでヤバかった」「宮良に負けたらマジ日本終わってたぞ」など安堵の声が広がっている。というのも、オール沖縄の推薦する候補・宮良氏には、怪しすぎる過去とヤバすぎる選挙プロモーションがネット上に広まっていたからだ。
■オール沖縄候補には北朝鮮渡航歴まで?
元自衛官で沖縄出身の惠隆之介氏は『月刊HANADA』(飛鳥新社/4月号)で、宮良候補に北朝鮮への渡航歴があり「北朝鮮幹部と交歓」していたと報じている。同誌によれば、宮良候補は00年5月に「沖縄(北朝鮮)平和友好訪問団」(団長は大田昌秀元知事)の一員として北朝鮮を訪問。平壌市内の万寿台議事堂で最高人民会議常任委員会の金永大副委員長らから激励を受けたという。
その際に金副委員長は「沖縄や南朝鮮(韓国)に駐留する米軍の存在が朝鮮半島統一の障害になっている」と指摘して、「外国の軍隊が沖縄に駐留することは正常ではなく、沖縄と朝鮮人民の感情は似ている」と述べたのだという(沖縄タイムズ00年5月7日)。
また、その一方で宮良候補は、選挙戦でも女装や著作権など違反ギリギリのキャンペーンが見られたという報告も、Twitter上で散見された。中でも、同候補がミニーマウスや『アナ雪』のオラフに扮したり、ほかの活動員が女装して選挙活動をする動画は、いわゆる”インディーズ候補”的な香ばしさをプンプン放っていた。
外見や経歴で判断したくはないが、宮良候補には「反米」や「反自衛隊」の価値観だけでは測れない何かがあったのは確かなようだ。
ともあれ、石垣市尖閣諸島は中国も「核心的利益」と公言する、日本の防衛線の要である。また、天然ガスやレアアースなど海洋資源の世界有数の宝庫でもある。それを誰よりも守る気持ちが強い中山市長の当選が、石垣市民のみならず、沖縄県ひいては日本国民の幸福に繋がるのだと信じたい。