玉林駅は大きい施設なのだが、開けられた門戸は狭く人がズラリと並んでいる。
「パスポートを用意してください」
とガイドに言われて、慌ててカバンからパスポートを出す。そして外国人用の窓口に通される。テーブルにはカチッとした制服を着こんだ4人の男女の職員が座っていた。サービス業の笑顔は一切ない。
1人づつパスポートと僕の顔を見比べて、じっと睨め付けてくる。全員がパスポートを見終わった後、無愛想に質問をされた。
「観光ですか? と聞いてます」
とガイドが通訳したので
「はいそうです」
と答えると、4人で少しだけ相談した後、ポンっとパスポートを投げて帰した。
日本の鉄道には絶対にない、ふてぶてしい態度の公務員を見て
「中国ってやっぱり共産国家なんだな〜」
と自覚した。
その後の手続きをして、やっと乗車になった。乗ってしまえば、日本の新幹線と変わらなかった。
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