人気モデル・水原希子(27)の「#metoo告白」が化粧品メーカー大手の資生堂を巻き込んで物議をかもし、賛否両論の論争を生んでいる。
水原さんは9日に、自身のインスタグラムの「ストーリー」で、ダンサーのKaoRiさんが写真家・荒木経惟氏(77)からセクハラ・パワハラを受けていたと告発したことに触れ、「長い間どれ程苦しかったか、想像するだけでも心が痛みます」「女性は性の道具ではない」と強く同意する意見を述べた。
そして続いて自身も20代前半の頃に、ある企業の広告撮影で裸を見られたと「#metoo」告発。同広告では「上半身裸になって手で胸を隠して撮影」した際に、20人近い男性社員たちがスタジオに来て、「見られたくない」と伝えたにもかかわらず、「写真を確認しなければならない」「仕事だから拒否できない」と理由をつけられ、結局裸体をさらしてしまったのだという。
当初は水原さんのこの発言に、ソーシャルメディア上でも「また水原さん、お得意の便乗ですか」「いっちょかみモデル」などと心ない批判が飛んでいた。だが、ネットユーザーらが彼女の発言に該当する写真を見つけ出し、それが大スポンサー資生堂の「わたし、開花宣言。」という広告で、しかもその撮影者がアラーキーだったことから風向きが大きく変わった。
女性を中心に水原の発言を「勇気ある」「今回はよく言った」と賞賛する声が増え、芸能界・マスコミの旧態依然のパワハラ構造を批判するとともに、興味本位でセクハラに関与していた資生堂に糾弾の矛先が向き始めたのである。
ネット上に出回った広告写真で、水原さんは屈託のない笑顔を見せている。まさか、撮影の舞台裏でそんな修羅場が展開されていたとは思いもつかない。水原さんのこの笑顔をプロ根性と見るべきなのか。だが、思い切った「#metoo」があっても、一方ではなおも水原さんに対する批判も燻りを見せない。
とくに水原さんへの批判が止まない背景には、彼女自身の変わり身の早さと、度重なる被害者サイドからの発言があると言われる。
水原さんは13年、中国の現代美術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)が天安門に中指を立てた写真にインスタグラムで「いいね!」をつけたことで、それを見た中国人から「日本の有名女優が暗に中国批判をした」と、大バッシングを受けるという騒動に見舞われている。水原さんはそれまでも靖国神社で写真を撮るなどしていたが、現代アートでもファッション感覚で「いいね!」したと推測される。
しかし結局、中国人の怒りは収まりがつかず、水原さんはソーシャルメディア「微博」に5分間の謝罪動画を投稿。自分はアメリカ人の父と、韓国人母が在日韓国人であり、日本人ではないとアピール。すると今度はこれが日本人から「私は日本人じゃないから許してと、中国に媚を売った」と再バッシングを受けるハメに。そうして国内のソーシャルメディア上から批判を受けると、つぎは「日本人から『(水原は)日本人じゃない』とヘイトを受け、2週間泣いていた」と被害者サイドに転じたのであった。
そんなこともあり、まだ水原さんへの不信感は消えておらず、掲示板には「アンタ、手ブラで被害者面してるけど、自分からインスタで乳首さらしてますやん」「資生堂の後もアラーキーと平気で仕事してるのに、いまさら被害者ヅラとか?」との声もあがっていた。
良くも悪くも、その言動が批判を買い、議論を生んできた水原さん。今後は炎上を怖れる、国内クライアント筋からの風当たりも強くなると見られるが、彼女は折しも海外ブランド・ディオールのビューティー初のアジア・アンバサダーに就任したばかり。センセーショナルな発言を糧にできる、海外で活躍する方が向いているのかもしれない。