KING’S State Apartmentsには全部で7つの部屋がありますが、特に注目したいのが「クーポラ・ルーム」。「クーポラ」とは半円形をした天井のことで、その名の通り美しい絵画に彩られた半円形の天井が印象的な空間です。

天井の中央にあしらわれているのは、イングランドの最高勲章であるガーター勲章で、王の威光を象徴しているかのよう。壁のくぼみにはギリシア神話の神々の彫刻が飾られ、ごぢんまりとした部屋ながら独特の華やかさと重厚感を漂わせる空間に仕上がっています。

・Queen’s State Apartments

1690年代、夫であるウィリアム3世の共同統治者として、共に王位に即いていたメアリー2世のために建造された部屋の数々が、「Queen’s State Apartments」。

読書や針仕事などのための憩いの場として設けられたというだけあって、KING’S State Apartmentsに比べると、暮らしの匂いが感じられるアットホームな空間です。

皆に愛された女王でしたが、天然痘にかかりわずか32歳の若さで息を引き取りました。妻の死が近いことを知ったウィリアム3世は、医師の忠告を聞かずに同じ部屋の簡易ベッドで眠ったといいます。

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