■親戚から「美容整形なら縁を切る」それでも怪しい道を進んだから今がある

ツイッターで若者に「必ずリッチになれる」と院長は言った。だが、国税庁調査によれば20代前半の平均年収は258万円。賃金は上がらず、派遣労働者は増え続け、先行きが見えないという切実な声もある。この状況で、若者たちがどうやって「リッチ」になれば良いのかと嘆く人も少なくない。

ーー若者たちには、成功してリッチになる、具体的なイメージがわかないという意見もあります。院長は若い時にはすでに現在の姿のような成功像を持っていたんですか?

「こんな貧乏じゃないと思ってた」

ーー現状の院長が予想外に貧乏だったと! そんな大きな野心があったんですか。

「若い頃、高須クリニックはアメリカに進出するつもりだったの。ハワイに拠点を作って、さあこれから勝負って時に税務署に踏み込まれて全部やられちゃった(※院長が41歳の時)。犯罪者になったから各所で経済活動が出来なくなった。失われた20年とはボクのことですよ」

ーーしかし、その後は劇的に復活していますよね。若者が、高須院長のように成功するにはどうすればいいと考えていますか。

「いつの時代も、怪しげなモノが次の時代の覇者なんです。孫さん(正義氏・ソフトバンク会長)だって何をやってるか分からず、企業買収したり、怪しげだって言われてる内にITの覇者になっちゃったでしょ。サラ金が出て来た時も、銀行がそれをイジメてたでしょ。けど大きくなった。結局、国策で潰されたけどさ。

美容整形もそうですよ。怪しいって言われて、ものすごく迫害受けてたの。病人でない人間を相手にするんだもの、医者としてはクズだって言われてた。ボクが美容整形の医者をやるって言ったら、親戚中から排斥うけてね。ボクが『美容整形は第三の医学だから発展する』と言っても、おじさんたちは『そんなことがあったら逆立ちして町を歩いてやる』とセセラ笑ってたんです」

ーー以前は怪しいと言われた美容整形もその後はブームになり、今では珍しいことではなくなりました。

「賃金が伸びない、経済的な余裕がないって言ってる連中は、たいてい過去の爺さんたちの成功体験にしがみついている安定志向なんです。怪しいモノに手も出さない。そうじゃなくて自分でスキルを積んで新しいことをやっていかないとダメなんです」

安定志向を捨て、怪しげな道(リスク)ではあっても、開拓精神を持って進まねば成功もないと断言する高須院長。このような意見が若者からではなく、成功者の側から出るのは、悩ましき日本のパラドクスか。

高須院長はツイッター上でも「このままでは将来近隣諸国の狼に駆逐されます」としながら、若者に目覚めてほしいと切に訴えている。この国の未来を思えばこそ、託すべき”子”や”孫”に厳しくも温かい叱咤を飛ばさざるを得ないのかもしれない。

次週からはいよいよ高須院長が時事ニュースを斬りまくる本編がスタートします。乞うご期待ください。

取材協力:孫向文(漫画家)

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