大公宮殿前の広場からは、黄色やオレンジ、ピンクといったカラフルな建物に挟まれた路地が延びています。そのうちの一本に足を踏み入れると、一気に数百年の時をさかのぼったかのような感覚に・・・

カジノや高級ホテルが建ち並び、港には豪華なクルーザーが停泊する典型的なモナコのイメージとはまったく異なる光景が広がっています。

まるでイタリアの下町のような親しみやすい雰囲気に、すっかり気分もリラックス。庶民的な土産物屋やカジュアルなカフェ、スナック屋台などが並ぶ様子を見れば、高級リゾートとしての一面がモナコのすべてではないことが実感できるはずです。

・グレース・ケリーが眠るモナコ大聖堂

大公宮殿に次いで、モナコ・ヴィルにあるもうひとつの必見スポットが、公室の公式行事が行われるモナコ大聖堂。1875年、ロマネスク・ビザンチン様式で建てられた堂々たる建物で、内部にはカララ白大理石の司教座や祭壇、黄金色に輝くモザイク画などが見られる荘厳な空間が広がっています。

加えてこの大聖堂は、1956年、人気絶頂でハリウッド女優を引退し、モナコ大公レニエ3世のもとに嫁いだグレース・ケリーゆかりの地でもあります。1956年4月19日にグレース・ケリーとレニエ3世との結婚式が行われたのがここなら、1982年9月18日にグレース・ケリーの葬儀が行われたのもここ。

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