”炎上上等”のキャッチフレーズでおなじみ、高須クリニック院長・高須克弥氏が物議も辞さずニュースを斬る。今回のお題は、日大上層部を巻き込んで様々な波紋を広げているアメフト悪質タックル問題です。

ーーついに27日、関西学院大学2年生のクオーターバック・奥野耕世選手(19)の方も取材に応じてコメントを出しました。

「そうなんだよ。一時は『フットボールをする権利がない』と言ってた奥野選手だったけど、(コーチ・監督からの指示があったという)事情を理解して、日大・宮川泰介選手(20)に「アメフトに戻ってきた彼と正々堂々と闘いたい」と呼びかけたっていうんだよ。これこそスポーツマンシップじゃないか。じつに爽やかだね。『”潰せ”はそんな意味じゃなかった』とか言い訳してる大人とは大違いです」

ーー院長は顔出し会見をした宮川選手も評価されてましたよね。Twitterでも「高須グループがほしい人材」ともつぶやかれてました。

「彼はすごく正直な若者です。自分たちの監督やコーチのことを洗いざらい全部話した。周りの理事たちは『とんでもない奴だ』なんて言ってると思いますよ。組織の問題を全部ぶちまけたら北朝鮮だったら銃殺です(笑) それでも普遍的な正義からいえば、自分はどうなっても良いから正直に言うっていうのは、とても立派なことです。もちろん彼は加害者なんだけどね。

日本ではああいう時、何にも言わずにスイマセンでしたと謝って、後付けの理由をくっつける。だから日大のやり方が普通。それが先に出れば良かったんだけど、(コーチ・監督の対応が遅れて)宮川くんが先に顔出しでやったからね。普通は皆、顔を隠して声を変えて隠れるもん。ボクがTwitterで争ってるのは、捨てアカ(ウント)だとか、覆面して後ろから刺してくるような連中。そういうのが一番よくない(笑)

でも、スポーツ推薦で入学してとしたら大変だと思いますよ。(卒業までの)1年間は針のむしろ。もしアメフトが出来ないならボクが支援します。けど、卒業すれば彼をほしがる企業は多いと思います。BOATRACE振興会の小高幹雄会長も欲しがってるし、ウチだってほしい。なんならウチのCMに出てもらいたいくらい。高須クリニックは正直者を応援します!」

ーーちなみに『ひるおび』の伊藤惇夫氏らからは「永田町に似てる……永田町の宮川選手は前川喜平だ」という声が出てますが。

「全然違うよ! 前川さんは自分のOBを天下りの斡旋をして、公務員法違反でクビになるところを上手く切り抜け、退職金をもらってやめた人なの。その前にも出会いカフェ(LOVE ON THE BEACH)に通い詰めて、みっともなく『貧困調査だった』だと言い張ってる。視察だったら公費だろ? レポートを出せよ、と。全部話した宮川くんとは、まったく正反対だね」

■今も存在するスポーツの駆け引き!? 昭和大空手部の当たり屋「飛びかっちゃん」

ーー宮川選手を評価する一方で、院長はスポーツである以上、駆け引きはやむをえないと日大に同情する趣旨の発言もされてます。ある程度のラフプレーは必要悪なのでしょうか。

「ボクは大学時代にアイスホッケーをやってたけど、こちらもやっぱりラフプレーもありました。そこまでの指示はありませんが、ボコボコやってるとペナルティボックスに放り込まれます。けれど、結局人数が減るんで割に合わないんです。スポーツの世界にはいまも駆け引きはザラに存在してる。けど『潰しに行け』というのは指導者が指示しちゃダメなの。阿吽の呼吸でやるもんです。

空手もやってましたが、彼(宮川選手)と逆のことをやってたよ。伝統空手なので寸止めルールだった。当たるとペネルティが取られる。『先鋒、高須行けー!』と言われると、『キエーーーイ!』ってバーンと飛び蹴りするんだけど、それが外れる。そしたら、相手は喜んで攻撃してくるんで、こっちは顔を突き出す。『アイテテテテ!』と大げさに痛がるんです。痛いかどうかなんて、本人しか分からないんだから。ボクは昭和大学空手部で”当たり屋の飛びかっちゃん”と呼ばれてた(笑)」

なるほど、青少年がスポーツを通じて学ぶのは、フェアプレイだけではない。時に駆け引きを使うことも生きていく上で重要な知恵となる。当たり屋・飛びかっちゃん…その精神は、現在も”炎上上等”の姿勢として健在のようである。