日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、1日の金曜日に日大で理事会が開かれ、内田正人前監督の常務理事の辞表受理が全会一致で承認されたことや、アメフト部再建に向け「第三者委委員会」の設置が決定したことを『ひるおび』(TBS系)が特集した。

そして連日報道されている、この問題についてTBSは「世論調査」を実施し、その調査結果を元に、日大側の対応について改めて批判的な論調でMCの恵俊彰やコメンテーターたちの意見が繰り広げられた。

番組では「最新JNN世論調査 日大アメフト問題について」と題するフリップを取り出して、2日・3日に全国18歳以上の男女に、電話による聞き取り方式で調査をしたことを説明。「悪質タックルについて」「内田前監督・井上前コーチへの処分について」の二点を世論調査したことを明らかにした。

まず悪質タックルについて、『タックルした選手の「監督から指示があった」、内田前監督ら「指示を否定」…どちらを信じますか?』との質問に対し、

・タックルをした選手の主張を信じる人が93%、

・内田前監督らの主張を信じる人が2%

・わからないと答えた人が5%

という結果を、MCの恵が読み上げた。

番組コメンテーターの弁護士・八代英輝氏は「アンケートで有罪無罪を決めるわけではないですけれど……」とする一方で「(悪質タックルをした)宮川選手の話しぶりの真摯さというのに共鳴した、心を打たれたという方のほうが圧倒的に多いのが分かりますね」と解説をし、ニュースキャスターの三雲孝江氏は「(宮川選手は)言い訳をしたわけではなく、『やってしまいました。本当にごめんなさい』という真摯な態度を、あの会見では私たち読み取ることができたので、それを支持している方というか、感じ取ったという方が多いんだなって思いますよね」と発言した。

また、もう一つの世論調査として、アメフトの関東学生連盟が内田前監督・井上前コーチに対し『事実上の永久追放にあたる「除名処分」としたことについて、適切な結論だと思いますか? 重すぎると思いますか?』との質問に対し、

・適切な結論だと思うが91%

・重すぎると思うが5%

・わからないと答えた人が4%

という結果が公表された。

これを受けてMCの恵は「これも分かりやすい(結果)」と、番組ゲストの青島健太氏に振ると、青島氏は「皆さんが、この問題をどう見てるのかというのが非常によく出ている数字だと思います」「日大側、あるいは内田前監督が、そういう指示が無かったんだということを改めて言うのであれば、理論的にきちんと説明する責任があるし、それがなければひっくり返らないわけですから」と発言。MCの恵は「世の中の多くの人は(タックルの)指示があったんじゃないの? それをしたんだから除名とかで当然でしょと考える人がたくさんいる」と、世論調査を踏まえてのコメントをした。

しかし、この『ひるおび』の世論調査は少々やり過ぎの感は否めない。

日大悪質タックル問題は、タックルを受けた関西学院大学の選手の父親が警視庁に被害届を出して受理されているが、現在はまだ捜査中の段階である。確かにテレビや新聞の取材で選手や関係者の声を聞く限り、監督やコーチの指示があった可能性は高い。だが、大がかりに「世論調査」まで行って、その世論の声を元に日大や内田前監督を「黒」と印象づけて断罪するのは危険ではないだろうか。TBSには中立・公正が求められる報道機関としての姿勢が求められている。