ビットコイン(BTC)は10日、午前4時に74万円台を割り、73万円前後で推移している。現在の取引価格は73万3168円で前日から0.99%下落した(記事執筆時)。

イーサリアム(ETH)は、5万621円で4.74%下落。ビットコインキャッシュ(BCH)は8万177円で2.73%下落。リップル(XRP)は5万1550円と2.27%下落した。

仮想通貨市場は、先月30日以降、上昇傾向だったが本日は小幅な値動きでやや下落相場となった。7月3日以来、この1週間でビットコインは72万円から74万円のレンジ相場で取引されている。

この日、注目すべきニュースは世界有数の分散型取引所「バンコール」で、ハッキング被害が発生し、イーサリアムが約13億円相当盗まれたことだろう。この影響でイーサリアム価格に若干の値動きはあったものの、いまは落ち着いた模様だ。また、取引所発行の「バンコールネットワークトークン/BNT」は、過去24時間比で約15%急落している。

非中央集権の分散型取引所は、一般の取引所よりも透明性があり、セキュリティの高さもうたわれていたが、今回の事件で分散型取引所にも課題を残す結果となってしまったのは市場にとっては悪材料だ。

また本日は、コインマーケットキャップの上位100通貨のうち約8割が下落。総じて軟調な相場となった。

この日、コインマーケットキャップで最も伸びが大きいアルトコインは、時価総額95位のゼンキャッシュ(ZEN)で、伸び率は8.57%を記録した。取引価格は1ZEN=2481.4円となっている。続いて2位は時価総額18位のテゾス(XTZ)で伸び率は5.91%を記録し、取引価格は1XTZ=249.6円となっている。

テゾスは、ブロックチェーン上の「ガバナンス」の部分を、開発者ではなく通貨の所有者の投票で決めていくのが特徴だ。これによってシステムの修正案等がユーザーの投票で決められ、ガバナンスの分散化を維持することが可能になる。

一方、大手取引所のバイナンスで、もっとも大きな伸びを示しているのは時価総額223位のエアスワップ(AST)で伸び率は23.41%を記録した。現在の取引価格は1AST=21.88円となっている。

エアスワップはイーサリアムのスマートコントラクトを利用して、取引所を仲介することなく、仮想通貨の交換の実現をすることを目的に開発された。「Swap」と呼ばれる分散型トレードプロトコルを使用することで個人同士の通貨の売買を、手数料が安く、高セキュリティで行えるのが特徴だ。

本日の仮想通貨相場は、これといった好材料もなく、週明けからの上昇分を維持しつつも若干の下落傾向。上値が重い状況が続いている。この1週間、ビットコイン価格は70万円台前半で落ち着いており、本日も様子見のムードの相場となった。