■テレビはいつ世論誘導の装置に変貌したのか?

私が芸能界にいた当時、いくつかのバラエティー番組でお仕事をいただいていました。【クイズ年の差なんて】は、昭和から平成にかけて人気を誇ったクイズ番組でした。アダルトチームとヤングチームに別れ、アダルトには若い世代に関する問題、ヤングにはアダルト世代の問題が出されるというフジテレビ制作の番組。「バッチグー」「アウトオブ眼中」なんて言葉が紹介されると、放映翌日にはそんなギャル語を使うおじ様達が現れ、大いに顰蹙を買ったとか(笑)! 私は番組終盤、最後の半年間の出演でした。

もちろんこの当時は事前に解答を知らされることは絶対ありませんでした。常に全問正解する出演者!なんてあり得ないことでした。アダルトチームは大御所とされる方が多く、現場の安定感と心地よい緊張感は、未だに記憶から消えることはありません。ヤングチームも新進気鋭のタレント揃い。ボケとツッコミ、イジリといった関西のお笑いのノリもまだ関東ではさほど定着しておらず、司会の桂三枝師匠(当時)・山田邦子さんによる絶妙の機転は、突発的に解答者から珍言動を引き出し、笑いを取りながらも最後には爽やかな余韻を残してエンディング…といった昔ながらの王道的番組作りが行われていました。

今現在のメディアの世界、特にテレビ業界がどうなのか詳しくは知りません。私が芸能界にいたのは20年以上前のことですから。しかし、昔からお付き合いのある関係者とお話しすると決まって「あの頃のテレビは作る側も見る側もとにかく面白かった」と、嘆きとも愚痴ともとれるお話に終始します。ニュース番組・ワイドショー・バラエティー…かつては全て視聴者を意識した健全な「娯楽性」つまりはエンターテインメント性が番組作りの根底にあった様に思います。

ところが今や、局側・制作側の意向を織り混ぜながらの世論誘導を目的とした「プロパガンダ放送」と、それを隠すかのようなお笑い一辺倒、グルメ一辺倒の番組ばかり。そこに知性や品性が欠落している様に思えてなりません。「視聴者を馬鹿にしてませんか?」「それとも視聴者を愚民化させたいの?」と言いたくなるレベルです。

ミレニアムといわれた2000年(平成12)辺りを境にマスメディア・テレビ業界は徐々に変貌を遂げてきた様に感じます。「今思えば」ですが… 平成14年(2002)からは日教組が提唱した「ゆとり教育」が実施されました。同年には悪夢ともいえるサッカーワールドカップ日韓共催が。このサッカー共催から我が国では「嫌韓」が起こりました。

更に平成15年(2003)には地デジ放送が三大都市圏で開始。平成17年(2005)にはニッポン放送(フジサンケイグループ)株を巡って攻防が行われました。平成20年(2008)韓国に李昭博政権誕生。「我々はすでに日本を征服した。フジテレビが証拠だ」と発言したといわれています。

これ等の出来事を理論的に結びつけることは「陰謀論」的な展開になりそうですね(笑)! 今や一介の主婦である私にはそれこそ「無理ゲー」です(笑)!

原因あっての結果です。テレビ業界含むマスメディアは、一部偏狭な思想の下で自らの首を締め続けています。今や多くのテレビ(新聞も!)離れに歯止めを掛けることは難しいでしょう。そしてその役割はネットに取って変わられようとしています。役目を終えようとしているマスメディアは、それでも良識的な「拠」として残る道はあったはずです。開き直ったかの様な偏向報道と歪曲・歴史修正を繰り返すその様はまさに「裸の王さま」ですね。