違法に入手されたとする資金のうち、少なくとも8,860万ドル(約100億円)が46ヶ所の仮想通貨取引所に流入していたことが28日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道により明らかとなった。また、疑わしい資金の流入が最も多かった取引所は、匿名での取引が可能なスイス拠点の取引所シェイプシフトであり、その額は900万ドルに及ぶとみられている。
同報道によれば、WSJは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を使った投資詐欺など、2500件以上の疑わしい取引を追求するコンピュータプログラムを開発し、仮想通貨のマネーロンダリング(資金洗浄)について調査を行ったという。その結果、マネーロンダリング実行者はシェイプシフトのサービスを利用し、匿名性の高い通貨であるモネロ(XMR)に変換したことが判明したようだ。
その後、WSJはシェイプシフトに対し、同取引所を利用して違法な取引をしていると疑われるアドレスのリストを提供した。シェイプシフトはそれらのアドレスを審査したうえで、取引を禁止したという。
これまでシェイプシフトのユーザーは、仮想通貨の取引をするにあたり、個人情報の登録が義務付けられていなかったが、同社は先月5日、不正の取り締まりやマネーロンダリングを防ぐため、匿名性を撤廃して登録制にすると発表している。今回の報道では、本日10月1日より、ユーザーに対して基本的な個人情報を要求する予定だと報じられている。