匿名での取引が可能なスイス拠点の仮想通貨取引所シェイプシフトが、28日に報道された「違法に入手された資金900万ドルがシェイプシフトに流入している」とするウォールストリートジャーナル(WSJ)の記事を強く批判したことが、仮想通貨情報サイト「コインデスク」の報道により明らかとなった。

WSJは28日、「違法に入手されたとする資金のうち、少なくとも8,860万ドル(約100億円)が46ヶ所の仮想通貨取引所に流入していた」として、なかでもシェイプシフトへの流入が最も多く、その額は900万ドルに及ぶと報じていた。WSJは、仮想通貨にまつわる2500件以上の疑わしい取引を追求するコンピュータプログラムを開発し、仮想通貨のマネーロンダリング(資金洗浄)について調査を行ったという。その結果、マネーロンダリング実行者はシェイプシフトのサービスを利用し、匿名性の高い通貨であるモネロ(XMR)に変換したことが判明したと報道した。

この報道に対し、シェイプシフトCEOのエリック・ボーヒーズ氏は、10月1日に公開されたブログ記事において、「不正確かつ欺瞞的」として「たとえこれが真実だとしても、900万ドルはシェイプシフト全体の取引量のわずか0.15パーセントに過ぎない」とし、さらにシェイプシフトは「法執行機関の規制を遵守し、世界中の13か国で30件を超える調査に援助を行っている」と強調したという。

また、彼はユーザーが取引所を通じて法定通貨の資金洗浄をすることはできないと主張し、「他の取引所とは異なり、シェイプシフトは仮想通貨同士の取引を行うプラットフォームだ。私たちはユーザーの資金を管理する代わりに、設定された価格で自分の資産を自分のものと交換する。法定通貨には触れないため、1ドル、ユーロ、または円がシェイプシフトを通じて洗浄されたことはない。それは不可能だろう」とコメントしている。