音楽がテーマの展示コーナーでは、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンによる手書きの楽譜やスケッチから、ビートルズのジョン・レノン直筆の手紙や歌詞の草稿が、文学コーナーではジェーン・オースティン、エミリー・ブロンテ、チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルドをはじめとする作家たちの貴重な文献が展示されています。また、イギリスが生んだ歴史的劇作家ウィリアム・シェイクスピアの特設コーナーも。

ほかにも豪華な装丁の古書や古地図、日本の掛け軸、アジアの宗教やイスラム世界の聖典をはじめとする世界の文献、「歴史的文献(Historical Documents)」コーナーには、インド独立の父マハトマ・ガンジーがイギリス人インド総督へ送った手紙など、世界を動かした歴史的に重要な文書が展示されており、これらの歴史に興味がある人にとっては鳥肌ものの文書がずらりと並んでいます。

さらに奥には、イギリス史上最も重要な文献のひとつである「マグナ・カルタ(Magna Carta=大憲章)」の特別展示室があります。マグナ・カルタとは、「1215年、イングランド王ジョンが封建貴族たちに強制されて承認、調印した文書。前文と63条からなり、国王の徴税権の制限、法による支配などを明文化し、王権を制限、封建貴族の特権を再確認したもの。権利請願・権利章典とともに英国立憲制の発展に重要な役割を果たした。大憲章。」(デジタル大辞泉より)。

『自由の出生証明書』とも称されるマグナ・カルタは、「王といえども、法の下にあり、法を守る義務があり、権限を制限される」「イングランドの民は国法か裁判以外によって、自由・生命・財産をおかされてはならない」といった内容が書かれ、世界で初めて国王に制限を加え、今日の世界の在り方を支える立憲主義、自由主義の原型とされています。大英図書館には現存する4点のマグナ・カルタのうちの1点が展示されています。

小さなお子さんは退屈してしまうかもしれませんが、誰もがその名を耳にしたことのあるような偉人たちの手に触れた重要な文献を目の当たりにできる、貴重なギャラリーはまさに必見です。

また、同図書館では様々な有料エキシビジョンも開催されており、過去には「不思議の国のアリス」や「ハリー・ポッター」などをテーマにしたエキシビジョンが人気を呼びました。

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