たとえば、東南アジアのマイクロファイナンスで、零細の農家に融資をする場合、家畜以外に目立った資産がない場合には、家畜を担保に入れてトークン化し、流通させることも可能になります。従来の金融機関の立場からすれば、たかが牛一頭を担保に入れたところで、何の足しにもならないって話で、融資の実行を躊躇していたでしょうが、分散型エコノミーのもとでマイクロファイナンスを展開すれば、目立った資産を持たないものの、社会に欠かせない事業を行う層に幅広く融資を実行できる可能性が出てきます。
IoTの事業も非常に可能性がありますね。それぞれの家電がウォレットを持ち、必要な物資やデータを自動的にトークンで購入するようになります。つまり、AIを搭載した家電などの機械がユーザーとして参加し、自律的にデータをやりとりするマーケットプレイス事業にも、大きな将来性があるでしょう。
(つづく~「LONGHASH Japan代表 クリス・ダイ氏インタビューvol.8 分散型システムの活用【フィスコ 株・企業報】」~)
【クリス・ダイProfile】
中国上海出身。LONGHASH Japan代表取締役社長。中国と日本のクロスボーダー投資ファンドLeland Capitalの共同創設者兼CEO。中国と日本での活動を中心に、幅広いビジネスマネジメントと投資を行い、COO/CIO Yixing SCM(ロジスティクス・プロバイダー)、Accentureのコンサルタント、複数のベンチャー企業の共同設立者。中国のビットコインとイーサリアムの早期の投資家の一人で、2013年から仮想通貨投資に携わる。経済産業研究所ブロックチェーン研究会委員。2004年にスタンフォード大学でマネジメントと科学と工業工学卒業。
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