こちらが入館チケットです。チケットの絵柄はいろいろなので、誰の作品が印刷されているかはお楽しみ。上写真はプラド美術館で最も有名なベラスケスの「ラス・メニーナス」の中央に描かれているマルガリータ王女です。

入り口でチケットを提示し、荷物のX線検査と金属探知機のチェックを受けて、館内に入ります。大きな手荷物はクロークに預けましょう。

館内は基本的に撮影禁止ですが、入り口付近にあるこの彫像だけは撮影可能です。たくさんの訪問者がこの像の前で記念撮影をしていました。

さて、プラド美術館に展示されている絵画は、常設展・特別展をあわせ数千点にも及びますが、、なかでも一番有名なのは、フェリペ4世に仕えた宮廷画家・ベラスケスの最高傑作と言われる絵『ラス・メニーナス』でしょう。

「女官たち(Las Meninas)」と名付けられたこの作品は、近くをはっきり、遠くをぼんやりと暗めに描く「空気遠近画法」が用いられています。

画集などでこの作品を見たことがある人もいるかもしれませんが、この絵は絵の真ん前で見るのではなく、数メートル~十数メートル離れてみることで、驚くほど奥行きが生まれて立体感が出て、まるでその空間に新たな部屋が出現したかのような錯覚さえ覚えるほど。

これは印刷物では体感できないので、ぜひプラド美術館に足を運んで、ご自身の目で確かめてみてください。(この『ラス・メニーナス』は決してほかの美術館に貸し出されることがないので、鑑賞するにはプラド美術館に行くほかありません。)

ほかにもベラスケスの『マルガリータ王女』『バッカスの勝利』、ゴヤの『カルロス4世の家族』『着衣のマハ』『裸のマハ』、エル・グレコの『聖三位一体』『胸に手を置く騎士』『羊飼いの礼拝』、ボス(あるいはボッシュ)の『快楽の園』『七つの大罪』、ルーベンスの『三美神』『受胎告知』などの名画が展示されており、存分に鑑賞を楽しめるはずです。

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