22日からスイスで開催されている世界経済フォーラム(ダボス会議)で、「持続可能な仮想通貨アーキテクチャの構築」と題して仮想通貨の将来や課題が議論された。米大手仮想通貨投資アプリのサークル社CEOや、ハーバード大学経済学教授、仮想通貨決済プラットフォームのビットペサのCEOが参加した議論の様子の動画を仮想通貨情報サイトのクリプトニュースなどが公開、報道している。
ハーバード大学経済学教授のKenneth Rogoff氏は規制当局と話す中で、当局内の多くは率直に仮想通貨を「非常に興味深いイノベーション」と感じておりながらも、まだ大きな価値が取引されていないため「経過観察」の段階と捉えていると言及。仮想通貨に対する十分な規制がない理由として、まだ規模がそこまでの大きさに達していないからとの見解を示した。
一方でサークル社CEOのJeremy Allaire氏は、人気の高い仮想通貨が犯罪者にとって便利な選択肢となってしまうことを見逃していると指摘。もちろん、現状で犯罪に最も多く利用されるのは米ドルなどの法定通貨であり、仮想通貨の規模はあまりに小さすぎるためにこの点が見逃されてしまっているとした。また同氏は、デジタル化社会におけるデジタル通貨の役割の重要性を強調した。
ビットペサのCEO Elizabeth Rossiello氏は、仮想通貨と法定通貨は相互に排他的なものではないという見解。同社は主にアフリカにおいてビットコインを利用した決済手段を提供する会社だが、Rossiello氏は「アフリカの法定通貨が自身の通貨システムを管理する能力を取り戻す」ことに賛成であり、分散型システムである仮想通貨は決済手段の多様性を提供するという立ち位置で共存していくという見方を示したが、これについては見解が分かれた。