お店はその後横須賀に移転、関東大震災で被災したことにより、高畠増太郎は故郷の福井へ帰郷、1924年(大正13年)に現在のヨーロッパ軒総本店をオープンさせることになる。
そんなベルリンで学んだ美味しいシュニッツェルを日本風にアレンジしたソースカツ丼は、福井の人々に愛され続けており、のれん分けによって現在では福井県内に19の店舗が広がっているのだ。
・香ばしいカツとソースの競演、それがヨーロッパ軒のカツ丼
こちらのお店には様々なメニューがあるのだが、やはり初めて訪れるのであれば、ソースカツ丼を味わうことをオススメしたい。
カツ丼の蓋を開けると、香ばしいカツの香りと、お店特製のソースの香りとが立ち上る。
そしてその香りに食欲が高まっていくのを感じてしまう。
まずはその香ばしいカツを味わってみてもらいたい。
ヒレ肉に薄く衣をつけて、ラードで揚げられているカツは、ソースをまとっているにもかかわらず、衣の食感をしっかりと残している。
もちろん中のヒレは非常に柔らかく、噛み締めるごとに美味しいカツの味わいが広がっていくのだ。
それをタレの染みたご飯と一緒に味わう、まさに至福の瞬間がここにはある。