ヨーロッパからのバカンス先として人気を誇るスペイン・テネリフェ島。
ビーチリゾートとしてその名を馳せる一方、テネリフェ島を含むカナリア諸島はこの地でしか見ることのできない固有種の植物が多い事でも知られています。その種類は700種以上とも言われ、多くが研究や保護の対象になっています。
今回紹介するのは、そんなカナリア諸島の固有種のひとつである竜血樹。
テネリフェ島のシンボルともいえる木で、西部の町イコットには樹齢500年を超える巨木が堂々としたいで立ちで立っています。また町の中にも街路樹などとして植えられており、テネリフェ島を訪れる際には必ず目にするはずです。
竜血樹はドラセナの仲間の木。カナリア諸島やアゾーレス諸島など、アフリカの大西洋側に浮かぶ島々(マカロネシア)、インド洋に浮かぶソコトラ島に自生しているものが有名です。竜血樹のなかにも様々な分類があり、幹の形や枝の広がり方も種類ごとに微妙に異なります。
竜血樹という不思議な名前は、木の樹液が血のように真っ赤であることに由来。一見するとグロテスクですが、この樹液は2000年以上も前から薬品や塗料として取引がされてきました。
テネリフェ島西部の町イコットでは、庭園内で竜血樹が管理されています。すぐ近くにある公園が展望台のようになっており、ちょうど目線と同じくらいの高さの場所に巨木を望むことができます。イコットの竜血樹は樹齢500年以上と言われていますが、その風貌からも長い年月を生き抜いてきた貫禄の様なものが感じられます。隣に立っているヤシと比べてみても、幹がかなり太いことが一目瞭然です。
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