世界最大規模のソーシャルトレード投資プラットフォームeToroが仮想通貨を含めたトークンベースの取引所「eToroX」を開設し、仮想通貨とステーブルコインの取扱いを開始した。6種類の仮想通貨(BTC、BCH、ETH、XRP、LTC、DASH)は法定通貨建て37ペア(例:BTC/USD、XRP/GBP)を提供する。
eToroXではこれまでの仮想通貨取引所の枠組みから一歩踏み出し、トークン化された法定通貨やコモディティと仮想通貨の取引を行えるプラットフォームを構築していくという。
なおトークン化された商品のペアに必要な法定通貨建取引を前提として、eToroは新たにトークンの発行も手がける。主にステーブルと呼ばれる裏付け資産に基づく仮想通貨の発行を行い、米ドル(USDEX)やEuro(EURX)だけでなく、日本円に関連する通貨「JPYX」も発行、全8種類のフィアットに基づくステーブルコインが公開された。
eToroXのマネージングディレクター Doron Rosenblum氏によると、取り扱う銘柄の種類を今後数週間に渡って増やすと同時に、他の仮想通貨取引所にもステーブルコインの上場を奨励。これまでの仮想通貨取引所とは異なり、複数のフィアットやステーブルを中心とした取引所を作っていく意向を示した。
ステーブルコインを取りまく環境はにわかに活発化している。直近ではカナダの仮想通貨取引所Coinsquareがカナダドル建てのステーブルコイン発行を発表したほか、Facebookが開発を検討しているという噂の「FB Coin」への投資をめぐり、幹部とビリオネアVC投資家のTim Drape氏の間でもたれる可能性が報じられた。今後のトークンモデルを踏まえたビジネス化の流れが加速している。
CEO「資産の最大の移転」を予言
eToroX の開設にあたり、CEO兼共同設立者であるYoni Assia氏は次のように述べた。
『eToroが投資家のために伝統的な市場を開拓したように、トークン化された世界でも同じことがしたい。 […]ブロックチェーンはトークン化を通し、最終的には伝統的な金融サービスを「食って」しまうだろう。』
また、金融サービスがブロックチェーンに移行するにつれ、「資産の最大の移転」が起こると予想しており、「アート、財産、そして知的財産さえも含むすべての伝統的資産クラスのトークン化が最終的に行われる」と今後のトークン社会の展望を付け加えた。
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