ソーサーボトムは、底値圏の期間(出来高は減少)が比較的長く、戻す時はなだらかなのが特徴である。ボトムを確認するのが比較的難しいフォーメーションとなるが、買いのタイミングはソーサーが始まった際の価格(2018年11月14日の70万円水準)を上回った瞬間である。
実際、5月10日にこの水準を上にブレイクした際、出来高は増加していることから多くの投資家がエントリーしていることがわかる。その後、戻り高値91.5万円をつけた後、75万円台まで急落する場面がみられたものの、70万円台から80万円台でのもみ合いを1週間ほど続けたあと、足元90万円台半ばで推移している。この70万円台から80万円台の値固め期間は、ソーサ—ボトム形成で必要な「プラットフォーム」だったと考える。
「プラットフォーム」形成後のビットコインは、ソーサ—ボトムのセオリー通り、出来高を伴い上への展開を見せている。あまり長い期間、この価格帯で推移すると「短期的な反発局面は終了した」との見方から短期筋による売り圧力が強まる可能性はあったが、1週間のもみ合い後、出来高を伴い、上を意識した地合いとなっていることから、市場の次のターゲットは心理的な節目である100万円となっている。
足元の上昇において、どこの国の交換所の商いが増加しているのか精緻な分析が必要(日本市場主導であれば100万円がターゲット、米国市場主導であれば1万ドルがターゲット)となるが、5月中旬に米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物の出来高が過去最高を記録したことを考慮すると、「規制強化中である日本が主導している」は考えにくい。
となると大台のターゲットは100万円ではなく1万ドルという見方もできよう。もっとも2018年4-5月のドルベースの戻り高値は9700ドル水準である。ドルベースでの大台回復を期待する前に、2018年4-5月の戻り高値9700ドル水準のクリアを確認したいところだ。
- 1
- 2