価格変動が激しく、相場の予想が困難な仮想通貨市場では、ファンダメンタルズやテクニカル分析以上に、市場の心理・感情分析が重視される局面が多いように見受けられる。ビットコインが上値を伸ばしている中、全世界のツイッターデータを分析することで仮想通貨市場のセンチメントを導き出し、投資指標ツールとして提供しているThe Tie社の最新レポートは、ビットコインは「世界的現象」となっていると指摘した。
今回のレポートは、6月28日から7月5日の間の、世界中のツイッターの投稿(1日 8.5億ツイート)に基づいた分析で、時価総額上位5位の仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、XRP、ライトコイン、ビットコインキャッシュ)に対する地域別の市場センチメントの傾向がまとめられている。
この期間の全体的な特徴としては、ライトコインが最も多くの肯定的ツイートを獲得する一方で(71.6%が肯定的)、仮想通貨市場のドミナンスと同様、ツイート数(全体の70%)とその発信元の国数ではビットコインが群を抜いて多いことがわかる。
国別で見ると、アメリカが全てのコインにおいて最多数(全世界の30%以上)の投稿を行っており、中でもライトコインに関しては、ほぼ半数のツイートはアメリカ発である。アメリカの仮想通貨市場における発言力の大きさが推測できる。マッピングされたビットコインのツイートを見ると、世界中のほぼ全ての国々で、ツイッターユーザーがビットコインに関する話題を取り上げており、さらにその会話のほとんどは、肯定的な内容であることがわかるとThe Tie社は指摘している。
そして、同社はこれらの分析からビットコインは「間違いなく世界的現象となっている」との判断を示した。しかし、国別にビットコインに対するツイートの内容を詳しく見ていくと、大変興味深い事実が浮かび上がってくるという。
ビットコイン支持トップのペルーを除くと、ビットコインに対する肯定的意見の低い国の上位5位全てを南アメリカの国々が占めている。
• エクアドル 37.5%
• ドミニカ共和国 38.5%
• ブラジル 39.7%
• ベネズエラ 40.3%
• アルゼンチン 40.8%
中でもブラジルは、ビットコインとライトコイン両方に否定的な感情を持つ一方、XRPに対しては、非常に肯定的なことが明らかになった。トップのシンガポールと僅差でブラジルが2位につけている。
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