クロアチア第2の都市スプリット。アドリア海に面したプロムナーデには大きなヤシの木が並び、行きかう人々の活気に満ち溢れています。プロムナーデから一歩町の奥に入ると、そこは歴史ある旧市街。スプリットの旧市街はローマ時代の宮殿跡が発展したもので、散策しながらかつての面影をいたるところで見つけることができます。

スプリット旧市街の基となった宮殿を建設したのが、古代ローマ皇帝のディオクレティアヌス。

ここでディオクレティアヌス皇帝について少し説明をしましょう。彼は下層農民の出身でありながら、実力を着々とつけて皇帝の座まで上りつめた人物。自らをジュピター(ローマ神話の最高神)の子と崇め、キリスト教に対する最後かつ最大の迫害を行った事でも知られています。

そんなディオクレティアヌス皇帝が皇帝の座を退いたのが305年。彼はその後、晩年を過ごすための宮殿をスプリットに建設しました。この宮殿が、現在のスプリット旧市街の始まりとなります。

宮殿の壁がまるで城壁のように町を囲んでいる旧市街。東西南北に「銀の門」、「金の門」、「青銅の門」、「鉄の門」という4つの門があり、中に入るとそれまでの街並みとは一転して歴史情緒あふれる光景が広がります。

旧市街で最もにぎわうのが、12本の石柱に囲まれた広場「ペリスティル」。すぐ横には大聖堂がそびえるほか、皇帝の私邸だった建物ともつながっています。昼間の美しさはもちろん、夜も周辺一帯がライトアップされ、神秘的な光景で多くの人々を魅了するのです。

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