超高齢化社会を迎え、地方を中心に過疎化が進んでいると言われて久しい日本。実際に、日本全体としての人口は1億2808万人だった2008年をピークに2011年から一貫して減少していて、2018年には人口は1億2644万人に。これは20年前の人口と同水準に戻ったといえる数字だ。

人口が減ると当然街の活気もなくなるが、全ての地域で人口が減少しているわけではない。近年は東京に人口が集中し、それに伴いベットタウンの役割を担う首都圏の各都市の人口は増加している。その首都圏内で特に活性化している地域が「川崎エリア」であるーー。

川崎市の発表によると、2019年5月1日現在で人口が152万6630人。京都市だけではなく、ついには神戸市をも上回り、川崎市は20政令市の中で6位の人口となった。川崎は住宅街として非常に人気のあるエリアなのだ。

例えば、関東屈指の繁華街として知られる川崎駅東口周辺には、近年ものすごい数のワンルームマンションが立ち並んでいる。実は単身者が多く暮らす住宅街でもあるのだ。「東口の駅周辺にはおよそ6000戸のマンションがあります」こう語るのは川崎市の行政関係者。

関係者らが実施したアンケート調査によると、こうした川崎のマンションの在住者は男性が65%、女性が35%で、ほとんどが会社員だったという。

そのうちのほぼ50%の住民が多摩川を渡って東京方面に仕事に行き、25%が川崎市内、25%が横浜など県内に通勤しているというペルソナが浮かび上がってきた。かつて、三多摩エリアが担っていた中流層のベットタウンが、川崎にとって変わっているのだ。

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