ボスポラス海峡がアジアとヨーロッパを二分する、トルコ最大の都市イスタンブール。

海峡沿いには個性溢れるエリアが点在しており、あるエリアは交通の要所に、またあるエリアは行楽地や観光地、さらには別荘地、など、エリアによってその情景などがさまざまに変化しています。

今回は、ボスポラス海峡を間近に感じることができるチェンゲルキョイ(Çengelköy)というエリアの魅力をご紹介しましょう。

チェンゲルキョイへは、イスタンブールのアジア側のユスキュダル埠頭付近から出ているバスに乗って約15~20分、ボスポラス海峡を北上したところにあります。

6世紀、東ローマ帝国ユスティニアヌス朝の皇帝ユスティヌス2世が配偶者ソフィアのためにこの辺りに埠頭を造ったことから、古くは「ソフィアナイ(Sophianai)」という地名で呼ばれていたチェンゲルキョイ。

オスマン帝国時代には、その美しい景観が富裕層に好まれ、多くのお金持ちの邸宅が建てられました。

多くの富裕層が愛した美しい景観は、今ではボスポラス海峡の美しい景観に加えて、ボスポラス大橋のダイナミックな景観も楽しむことができます。

チェンゲルキョイとは「海峡に突き出ている村」という意味。

その名前の通り、地図で見てみるとこの辺りは大陸が海峡の方に緩やかにカーブしていることがわかります。その特殊な地形のため、他の海峡沿いのエリアでは見ることのできないような、よりダイナミックなボスポラス海峡の景色を堪能できるのです。

チェンゲルキョイには、そのような景色を堪能できるレストランやカフェがたくさん存在しています。

また秋になると大きな木の美しい紅葉が楽しめる「チェンゲルキョイ・タリヒ・チュナラルトゥ」というカフェレストランは、休日には多くの人で賑わう人気の場所です。

海峡沿いギリギリのところに客席が設けられており、ヨーロッパとアジアの境目でゆっくりとカフェタイムを堪能することができます。

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