南ドイツは、ハイデルベルクからもほど近い場所にある町ヴァインハイム。日本でも知る人のあまりいない小さな町でありながら、木組みの家が並ぶ歴史地区や季節ごとに花が咲き乱れる公園、町を見下ろす2つの古城など見どころも豊富です。
特に2つの古城、ヴァッヘンブルク城とヴィンデック城は、この町を象徴するシンボル的存在。町を見守るかのように2つの古城がそびえたつ様子からも、ヴァインハイムは「2つの城の町」と呼ばれているのです。
今回はヴァインハイムを象徴するこの2つの古城を訪れてみましょう。
まず紹介するのはヴィンデック城。ここから15kmほどの場所にあるロルシュ修道院を守る目的で1100年頃に建設され、周辺地域にある城のなかで最も古いもののひとつだと言われています。修道院の崩壊後はマインツ司教とプファルツ選帝侯のあいだで城の所有権争いが繰り広げられ、13世紀中ごろにライン宮中伯の所有となってこの争いは幕を閉じます。
30年戦争の戦乱をどうにかやり過ごしたものの、17世紀にはルイ14世率いるフランス軍が城を徹底的に破壊。これにより城塞として立て直すことはほぼ不可能となり、その後は市民により石切り場として利用されたのでした。現在ある建物はいかにも廃墟という感じで独特な雰囲気に包まれています。
塔の上からは町がよく見渡せるので、ぜひ上ってみましょう。
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