日本でも注目を集め始めた「プラスチックごみ」。環境問題が深刻化するなかで、世界的なトピックとなっている。

ごみを削減するためには、製造者と消費者、両者の取り組みが必要となる。そんな中、ネスレ日本株式会社が人気チョコレート菓子「キットカット」のパッケージの一部を紙に変更。チョコレートの消費が伸びる冬を控え、メディア発表会を行った。


ネスレが感じた「社会の変化」肯定的な声が集まったパッケージ変更

これまでプラスチック包装だった「キットカット」の外袋は、9月下旬の出荷分から紙パッケージに変更されている。

これに対して消費者からは大きな反響が寄せられ、ほとんどが肯定的な声だったという。ネスレ日本のマーケティング部長である竹内雄二氏は「社会の注目度や世の中の変化を感じます」と語った。ちなみに今回のパッケージ変更により、380トンのプラスチック使用量を削減見込み。「キットカット」の中の個包装のパッケージについては、2022年までにリユース可能な素材に切り替える計画だという。

「小さな数字かもしれませんが、一歩を踏み出さないことには大きな改善をすることはできません」(竹内氏)

ノッポさんが初めてのCM出演先にネスレを選んだ理由は?

これを受け、ネスレでは「キットカット」の紙パッケージを使ったイベント「折り鶴で、想いを伝えるクリスマス」を「キットカット ショコラトリー」銀座本店中心に12月25日(水)まで開催中。赤い紙パッケージにメッセージを書いて、大切な人に想いを伝えるという取り組みだ。

新CMには、かつてNHK教育の『できるかな』で活躍したノッポさんを起用。ネスレの竹内氏は「幅広くいろんな世代の人に伝えるのなら、工作の名人でしゃべらずとも気持ちを伝えることができるのっぽさんが適任だと思いました」と語る。

ノッポさんはこれまでCM出演はかたくなに避けており、意外にも一般企業のCM出演は初。プラスチックごみが原因で海の生き物が命を落とすニュースに胸を痛めており、オファーが来たときには「企業がこんな取り組みをするなんて」と驚き、快諾したという。ノッポさんは折り鶴にしたためた「みんなにやさしくね」というメッセージを披露。

「私は、おちびさんが好き。その子供を育てる親が好き。その親を育てた親が好き。人が人に優しくするのを見るのがうれしい。やさしさがもっと世の中に広がったら」
と、メッセージにこめた博愛の思いを語った。

利益を追求することと、環境問題は相いれない部分があったからこそ、ここまで環境問題に本腰を入れる企業はそれほど多くはなかった。とはいえ、これからのビジネスモデルは「SDGSs」(持続可能な開発目標)とは切っても切り離せない。

今回のネスレのパッケージ切り替えは、持続可能な社会のための取り組みが、企業の評価に大きく影響することを予測させる一歩といえるだろう。

キットカットTVCM「紙パッケージで、できるかな」篇