寒い季節、トルコで試してみたくなることといえば、ハマムは外せません。

ハマムとは、伝統的な公衆浴場のことで、トルコやその他の中東、アラブ諸国で長い歴史の中で発展してきました。「清浄は信仰の半分」というイスラムの教えにあるように、身体をきれいにするハマムは宗教においても重要な性格を持っているため、モスクや神学校などを含む複合施設の一部として造られることが多かったのです。

歴史の中で、ハマムはモスクを訪れるように一般の市民が日常的に訪れることができる公共の場、社交の場としても機能していた一方で、オスマン帝国時代にはスルタン、そしてその息子たちだけが利用する目的で造られた完全にプライベートなハマムもあったのです。

現在のトルコ、イスタンブールにおける、オスマン帝国時代のスルタンによって造られた最も古いハマムが、新市街のベイオールにあるアー・ハマムです。

アー・ハマムは、コンスタンティノープルを攻略したオスマン帝国第7代スルタン、メフメト2世によって1454年に建設されました。これがイスタンブールに最初に誕生したハマムなのです。

1844年、オスマン帝国第31代スルタン、アブデュルメジトのときに大規模な改修工事がされ、帝国が終焉を迎える最後の年まで、スルタンとその息子たちだけが利用できる完全にプライベートなハマムとして機能していました。

1923年にトルコ共和国が誕生すると、あるアルメニア人の女性がアー・ハマムを買い取りました。そして彼女がそのハマムを初めて一般に公開したのです。その後ハマムは、ヒュセイン・ユルマズ、ヒュセインの甥にあたるアリ・ユルマズに売り渡されて後が継がれていきました。1986年にアリによって最後の改修工事がなされ、その後はイスタンブールにおける唯一の混浴のハマムとして営業しており、現在に至ります。

アー・ハマムでは、3つのコースの中から好きなものを選んでサービスを受けることができます。最もポピュラーなコースは、ハマム入浴料と垢すり、泡のマッサージの3つがセットになっているものです。このコースを元に、20分のオイルマッサージやフェイスパックをお好みで追加することも可能です。

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