ここから視線を入り口側へ向けると、目に飛び込んでくるのは15世紀イタリアを代表する芸術家パオロ・ウッチェロが手掛けた「イタリア時間」を刻む時計。

「イタリア時間」というのは、イタリアで14世紀から用いられいた時間システム。1日を24分割し、日没を24時として1日が始まります。時計の針が現在のものとは逆方向に動くのが特徴で、このイタリア時間を刻む時計は世界でもここだけしか見られないのだそうです。

時計の四隅には「新約聖書」に納められている「福音書」の記者であるマルコ、マタイ、ルカ、そしてヨハネの肖像画が描かれています。

このほか「受胎告知」や「昇天」をテーマにしたステンドグラスやフレスコ画、マリア像のレリーフなどが各所で見られます。

これらが一体になってつくり出される、神秘的な空間。信心深くなくてもどこか心が現れたかのような、清々しい気分になります。

ドゥオモ内部の見学を終えたら、地下のクリプタや隣にある洗礼堂もぜひ訪問してみましょう。ドゥオモのクーポラとジョットの鐘楼は絶景スポットとしても有名ですが、時間がなくてどちらか1つしか行けないのであれば、おすすめはジョットの鐘楼。

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