サフィエは1618年に、寝室で不審な死を遂げその生涯に幕を閉じましたが、これはムラト3世の寵妃ハンダンと、ハンダンと手を組んだハレムの宦官による仕業ではないかと考えられています。
結局、モスクは着工から半世紀以上たった1665年に完成しました。延びていた建設工事を終わらせたのは、メフメト4世の産みの母、つまりハレムで母后となって権威を振るっていたトゥルハン・ハティジェ・スルタンでした。こうして、オスマン帝国における初の女性による皇室モスクが生まれたのです。
イェニ・ジャーミィは現在工事中のため、モスクの中に入ることはできても、残念ながら鉄鋼や柵などで広範囲が覆われているためその美しい内装を見ることはできませんが、モスクに付属して造られたスルタンたちのための小さなキョシュクには無料で入場することができます。宮殿のようなこのスペースは、礼拝の前後にスルタンやその家族が集まったり時間を過ごすために造られたもので、トプカプ宮殿を装飾しているような美しいタイルが印象的な空間です。
イスタンブールに数あるモスクには、そのひとつひとつに当時の物語が詰まっています。こういった歴史を知りながらモスクを訪れてみると、世界遺産の街をより深く味わいながら散策できることでしょう。
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名前 イェニ・ジャーミィ(Yeni Cami)
所在地 Rüstem Paşa, Yeni Cami Cd. No:3, 34116 Fatih/İstanbul
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