三井住友トラストホールディングスの三井住友信託銀行は4日、相続発生後の名義変更等の手続きを短縮化するため、金融機関13社とともに、ブロックチェーンを活用した協働実証実験を実施すると発表した。
実証実験では、相続手続きのうち、遺言執行手続き、残高証明発行、確認等について、ブロックチェーンを活用し、参加金融機関が必要書類のデジタル化・共有化による一連の業務を実施することで、手続き期間の短縮化を検証するという。
相続発生後は個人が金融機関預けていた預金や有価証券について、名義変更や換金手続きなどの手続きが必要となる。こうした手続きについて、同行は「戸籍謄本や印鑑証明書をはじめ、多数の書類が必要なため、顧客・金融機関双方の手続き負担が大きく、数か月かかるケースも散見される」と指摘している。
同行は2019年8月以降、迅速に相続手続きが行える「相続プラットフォーム」構築に向け、社内で実証実験を実施してきたという。この実験により、ブロックチェーンの有効性とデジタル化による手続き時間の短縮が確認できたことから、主旨に賛同した金融機関各社と、協働して実証実験を行うにいたったと説明している。
参加金融機関は三井住友信託銀行のほか、京都銀行、群馬銀行、名古屋銀行、みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、三井住友フィナンシャルグループの三井住友銀行、SMBC 信託銀行、SMBC日興証券、りそなホールディングスのりそな銀行、野村ホールディングスの野村證券、松井証券、三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ信託銀行の14社。
同行は、同プラットフォームを構築することで、「金融機関における事務効率化を実現し、顧客にとって、手続き期間の大幅短縮という価値向上を目指す」との意向を示している。日経新聞の報道によれば、2020年度中の実用化を目指すようだ。