世界三大料理のひとつに数えられるトルコ料理には、地中海の太陽の恵みを受けて育った味の濃い野菜や肉、魚、ヨーグルトなどの乳製品を使ったものが多く、意外にも日本人の口に合います。
数あるトルコ料理の中でも、クルファスリエは気軽に食べることができるメインディッシュのひとつです。高級なレストランではもちろん、ロカンタというトルコ式の大衆食堂のような庶民的な飲食店でも食べることができ、旅行中でもチャレンジしやすい料理です。
トルコ語でクル(kuru)は乾燥した、ファスリエ(fasülye)は白インゲン豆のこと。クルファスリエは白インゲン豆のトマト煮込み料理で、タマネギやニンニク、人参、挽肉といったごくシンプルな食材で作られます。トルコの家庭でもよく作られる料理で、家庭ごとにお母さんの味が出る、いわばトルコの「おふくろの味」なのです。
そんなクルファスリエは、一般家庭でご馳走にならなくても、トルコの街中にある飲食店で気軽に食べることができます。トルコ最大の都市、イスタンブール旧市街にあるクルファスリエの名店「アリ・ババ・カナート・ロカンタス」をご紹介しましょう。
「アリ・ババ・カナート・ロカンタス」はイスタンブール旧市街を代表するイスラム寺院、スレイマニエ・モスクの入り口付近にあります。オスマン帝国を最盛期に導いたスレイマン大帝の時代に建てられた旧市街で最も大きなモスクで、毎日の祈りの時間には多くの人がこのモスクを訪れます。この辺りには、モスクで礼拝を終えた人たちがこぞって集う飲食店が建ち並んでいますが、1924年創業という歴史あるこのお店は、地元の人に特に人気があるロカンタです。
テラス席からはモスクを眺めながら食事をすることができ、店内にも4~5席ほどの飲食スペースがあります。こぢんまりとした厨房からは食欲をそそる美味しそうな料理の匂いが漂ってきます。ロカンタというだけあり、ケバブや煮込み料理を含むメニューが常時揃っていますが、やはり看板メニューであるクルファスリエは外せません。
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