当暗号資産から得られる金利に対して「資金流入効果から想定される価値」、「ネットワーク効果から想定される価値」を当てはめ、それを10%の割引率で割り引くと、結果は大きく変わってくる。仮に「資金流入効果から想定される価値」、「ネットワーク効果から想定される価値」の向上で当暗号資産の価格が2倍になれば、暗号資産で投資家に支払われる金利が3%だったとしても、円換算での金利の利回りは6%になる。当暗号資産が100円であれば、円換算の金利は6円となる。将来の金利を(中小型株を念頭に置いて設定した)10%の割引率で割り引くと、現在価値は60円ということになる。
■d.割引率が低下するケース
価値の評価が可能になることによって、価格の安定度が増すようになれば、割引率も低下する。円換算の金利が6円、割引率が5%であれば、現在価値は120円ということになる。
DAppsで使用されるためには、価格の安定が必要である。当暗号資産の多くを保有する主体が一定のルールに従って、中央銀行のように買いオペレーションもしくは売りオペレーションを行うという仕組みがあれば、同様に割引率を低下させる効果を発揮する。
※当コンテンツは8月7日に株式会社フィスコがプレスリリースした『配当割引モデルを活用したDefi関連暗号資産の価格形成論』を4分割して配信している。
『配当割引モデルを活用したDefi関連暗号資産の価格形成論』目次
1.「資金流入効果」、「ネットワーク効果」による価値の向上
a.DAppsを活用したビジネス創出で価値測定ドライバーが出現
b.資金流入効果
c.ネットワーク効果
2.金利の発生で可能になる配当割引モデルの活用
a.配当割引モデルとは
b.金利となる暗号資産の価値が変わらないケース
c.金利となる暗号資産の価値が向上するケース
d.割引率が低下するケース
3.COMPの価値試算
a.予測の前提
b.「資金流入効果+配当割引モデル」による価値試算
c.「ネットワーク効果+配当割引モデル」による価値試算
4.その他
a.金利平価説
b.手数料
5.免責事項
- 1
- 2