それによれば、1985年から1989年まで東証1部の時価総額を約421兆円上昇させるのに、わずか20兆円の資金が流入した程度であるということが分かる。1年あたり約4兆円だ。資金流入量1に対して時価総額の増幅効果は20という計算になる。
■c.ネットワーク効果
他方、「ネットワーク効果」とは、ユーザーの数が増えれば、経済価値が乗数的に向上するという視点に立った試算である。メトカーフの法則とは、「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザー数の二乗に比例する」というものである。電話やインターネットなどネットワークの価値は繋がるモノが多ければ多いほど価値が向上するという意味合いで、電話を例に挙げると、世界で2人しか使用していなければ、「1対1」の繋がりしかなくネットワーク価値は限定される。一方、世界中で電話を使用する人が多い状況となれば、「ユーザー数×ユーザー数」という計算が可能でネットワーク価値は膨れ上がるわけである。実際、ユニークアドレス件数とビットコイン価格の相関は非常に高い。
※当コンテンツは8月7日に株式会社フィスコがプレスリリースした『配当割引モデルを活用したDefi関連暗号資産の価格形成論』を4分割して配信している。
『配当割引モデルを活用したDefi関連暗号資産の価格形成論』目次
1.「資金流入効果」、「ネットワーク効果」による価値の向上
a.DAppsを活用したビジネス創出で価値測定ドライバーが出現
b.資金流入効果
c.ネットワーク効果
2.金利の発生で可能になる配当割引モデルの活用
a.配当割引モデルとは
b.金利となる暗号資産の価値が変わらないケース
c.金利となる暗号資産の価値が向上するケース
d.割引率が低下するケース
3.COMPの価値試算
a.予測の前提
b.「資金流入効果+配当割引モデル」による価値試算
c.「ネットワーク効果+配当割引モデル」による価値試算
4.その他
a.金利平価説
b.手数料
5.免責事項
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