このモスクの見どころは何と言ってもその華やかな内装です。モスク内部の壁面には赤、青、黄、茶といった色付きの大理石が使われ、オニキスやジャスパー(碧玉)といった宝石も埋め込まれています。重厚感があるモスク内部は彩り鮮やかなステンドグラスから差し込む太陽の光で照らされ、昼間はより華やかな雰囲気に包まれます。モスクの至る所に従来のオスマン建築とはまた異なる華やかさが表現されており、18世紀のオスマン帝国が受けた西欧文化の影響を肌で感じることができます。

モスクは1760年に建設が始まり、1763年に完成しました。モスクの名前は、そのモスクを造らせた人物の名に由来することが多いのですが、ムスタファ3世は自身が信頼を寄せていたイスラム法学者ラーレリ・ババの名を採用しました。

モスク完成から20年後の1783年、モスクの複合施設(キュッリエ)は火災により損傷してしまいましたが、ムスタファ3世や彼の妻のミフリシャー・スルタン、ムスタファ3世の息子のセリム3世が眠る霊廟は現在も残っており、毎日の礼拝の時間には多くの人がモスクと霊廟を訪れます。

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