以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2020年11月12日に執筆
今週はイーサリアム周りでの大きな話題が2つあった。1つは、イーサリアム2.0のフェーズ0のデポジットが始まったことである。当初今年の1月の予定であったものが、夏に伸び、ようやくの開始となった。
イーサリアムの価格は強気含みで推移しており、関係者の期待は大きいと思われる。しかしながら、2.0は数年かけて移行が予定されている長いプロジェクトであり、ようやく始まったばかりであり過剰な期待は禁物である。悪いニュースといえば、イーサリアムがブロックチェーンが意図しない分岐(フォーク)を起こしてしまい、世界的に主要な取引所などが入出金を停止するという問題が起きた。これは、取引所などが使っているInfuraというフルノードのホスティングサービスが、正しくイーサリアムのソフトウェアをアップデートしておらず、古いバージョンを使い続けていたために起こった。そのため、最新のソフトウェアとの整合性が取れず、ブロックチェーンが分岐してしまう事故になった。暗号通貨の場合、こうした技術的な問題点が後から判明して、取引に影響するといったことも多々起こっており、投資家にとっては、障害が起きたときに何が起きてどのような影響があるのかを理解できるような基礎的な技術理解力は必須であろう。