外観と並ぶ雲仙観光ホテルのアイコンが、ロビーから続く正面階段。
ゴージャスな真紅のカーテンにカーペット、ピカピカに磨き上げられた木のてすり…「80年以上の歴史でどんな人々を迎え入れてきたのだろう」― そんなことを考えると、一気に旅情が高まります。
今回筆者が宿泊したのは、館内に2室しかない「デラックスダブル」の部屋。19世紀イギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスがデザインした赤い壁紙がアクセントのユニークな空間です。
広さは30㎡あり、2人で宿泊してもゆったりと過ごせます。
全体的には西洋風のお部屋ですが、どことなく日本の床の間を連想させるような空間の使い方がされていて、湯治にやってきた日本人にとっても落ち着く空間。雲仙観光ホテルでは、西洋と東洋が融合し、その結果どちらでもない独特の世界観が完成しています。
「暮らすホテル」がコンセプトの雲仙観光ホテルは、「何もしない贅沢」が叶う場所。
忙しく観光するよりも、ゆったりと流れる時間を感じたり、読書にふけったり…思い思いの穏やかな時間に身を任せたいもの。鳥の声や木の葉のささやきなど、日ごろ気にも留めない自然の営みが愛おしく感じられるかもしれません。
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